短期も中長期も取りこぼさない!
ferret Oneのマーケ・セールス体制と改善のリアル

いつもお世話になっております。
ferret One カスタマーサクセス部 コミュニティマネージャーの大井です!

 

本日は3月25日に開催したU_fOMeetupのイベントレポートをお届けします。
今回は特別企画として、ferret Oneのマーケ・セールスの現場責任者からこれまでのしくじり話やKPIについてお話させていただきました!

特にKPIの管理方法や、セールスの提案精度向上に悩んでいる方はご一読くださいませ。

登壇者プロフィール

ferret Oneマーティング部 部長 林 侑平

Web専業広告代理店にてBtoB営業と運用経験を経て、2011年、ベーシック入社。比較メディアのBtoB営業・EC事業の事業責任者を務める。SaaSプロダクトの事業推進に役割変更した後、CS部門の立ち上げ・セールス部門の責任者・パートナーサクセス推進室の立ち上げをなど様々なPJを立ち上げ、現在はマーケティング部統括に就任。傍ら年間50本以上のセミナー登壇も行う。

ferret Oneセールス部 マネージャー 神田 智貴

滋賀県出身、2017年新卒にてベーシックに入社。ferret One事業のインサイドセールス・カスタマーサクセスを経て、同事業のフィールドセールスを5年担当。これまで延べ200社を超える企業様のBtoBマーケティングのご支援を実施。 現在はセールス部統括を担う。

 

マーケティング部の体制とこれまでの変遷

林:弊社のマーケ〜セールス組織は、約13名の社員で構成されており、マーケティング部はオンラインリードジェン3名、オンラインナーチャリング2名、展示会などのオフライン施策1名の3チーム体制です。

林:僕がマーケ部を管掌し始めた当初は、とにかくMQL(サービス資料DLや問い合わせなど、検討度合いの高いCV)の不足が大きな課題でした。そこで、コンテンツやセミナー、共催登壇の数を増やし、年間MQLは約2.2万件(前年比約200%)にまで増加。数値目標は達成できましたが、肝心の受注目標は未達という状態に陥っていました。

そこで、ナーチャリング体制が整ってきたタイミングで、展示会の強化にも取り組み「リードの質」を重視したKPIへの変更を実施。直近ではターゲットの見直しやIS(インサイドセールス)の強化も進めています。

初期のコンテンツ量産期には「顧客の声PJ」と題し、マーケ・営業・CSが連携して、お客様の悩みを洗い出し、コンテンツのネタ出しを行いました。また、2024年後半には再度ターゲットの見直しを行い、「BtoBマーケティングをトータルで支援できる」というメッセージを強化。サイトリニューアルも実施し、より洗練されたデザインへと刷新しました。

ferret One サービスサイト:https://ferret-one.com/

現在は、上記のような施策に加えて、ISと連携し、展示会で獲得したリードに対し、行動検知機能を活用して架電するなどの取り組みも行っています。

マーケティング部のKPI

林:本日一番伝えたかったお話は、マーケティング部のKPIについてです。
以前はマーケがMQL数、セールスが受注数を追っていたため、KPIが完全に分断されていました。その結果、リードは集まっても受注にはつながらないという“歪な構造”が生まれてしまっていたんです。

その経験を踏まえ、現在では「商談期待値」をマーケ部のKPIに設定しています。

チャネルごとにリードの重み(受注への寄与度)は異なるため、直近半年の受注実績からチャネル別の1商談あたりの受注期待値額を算出し、営業目標の達成状況に応じて、必要な商談件数を調整できるようにしています。

この方法には2つの利点があります。

1つ目は、商談の受注率が上がれば、必要な商談件数が減る点。
2つ目は、仮に「1,000万円分のヨミを作る」という目標があっても、チャネルごとの重みを加味することで、リソースを最も効果的なチャネルに集中できる点です。

こうしたロジックに基づき、Salesforceからデータを抽出し、Googleスプレッドシート上でKPIをモニタリングしています。

このように、マーケ・セールスが一体となった目標設計を行うことで、「商談件数が足りない」というときも、個別商談のバナーをポップアップで表示するなど、柔軟でスピーディな対応ができるようになったと実感しています。

セールス部の体制とこれまでの変遷

神田: ferret Oneのセールス組織は、営業企画・インサイドセールス(IS)・フィールドセールス(FS)の3チーム体制をとっています。

また、コンテンツ制作のみを支援するソリューションメニューに関しては、アカウントセールスという別チームが担当しています。

直近の営業の進め方としては、フィールドセールスコンテンツセールス(CoS)という役割のメンバーが並走する体制を取っています。具体的には、クロージングまで3ヶ月以内の短期案件はFSが対応し、6ヶ月以上かかる中長期案件はCoSがコミュニケーションを継続し、検討フェーズに入ったタイミングでFSにバトンタッチしています。

以前は、すべてフィールドセールスが案件を管理していたのですが、短期案件に手が回ってしまい、中長期案件を十分に追えないという課題がありました。そこで、人をかけて丁寧にナーチャリングしていく必要性を感じ、コンテンツセールスという役割を新たに作り始めました。

今では、短期・中期案件ともに追える体制を作れてきているのですが、僕がMGRに就任する前の2022年当時は、ヨミ(見込み)の管理が属人化しており、本人たちは真剣に追っていても、月末には案件がスリップする……ということがよくありました。1人あたり250案件を持っていたこともあり(笑)、物理的に追いきれない状態だったんです。

そこで、徹底的なマイクロマネジメントを行おうということを決め、ヨミの定義の統一から行いました。もちろんヨミ定義は以前から存在していたものの、判断基準が曖昧だったため、「3ヶ月以内に検討可能」などの各フェーズにおける顧客との合意項目を設けて、雰囲気で判断する状態をなくしました。

また、1人あたり250顧客を持っていた体制から、35顧客に絞り、その1件1件をどう進めるのかタスクベースで管理できる「案件ロードマップ」を作成するようにしました。最初は確認作業に1時間ほどかかっていましたが、現在は運用にも慣れ、スムーズにコミュニケーションできるようになっています。

こうしたヨミ・追客管理の基盤が整ってからは、営業企画チームを立ち上げ、マーケ・セールス横断の数値を取りまとめたり、イネーブルメントなどにも取り組めるようになりました。KPIのダッシュボードは、月単位で受注数からMQLなどまでをチャネルごとに見れるようになっており、自分は週2〜3回1時間程度かけて課題がないかを点検するようにしています。

営業企画は役割が見えづらく、経営視点で見ると設置しづらいポジションかもしれませんが、私は「絶対に置いたほうがいい」と思っています。たとえば、Webマーケのリードが弱いのでは?といった課題があった際にも、下記の資料のように当時の組織体制や訴求内容などを整理してくれました。

セールス部の直近の重点取組

直近2024年9月以降の重点取組は、02案件(中長期で追わなければいけない案件)をコンテンツセールスが商談担当者として追いかけを行い、案件化・受注を創出するというものです。

弊社ではホワイトペーパーの種類が多く、商談中のお客様にもよくダウンロードいただいているのですが、毎回フォーム入力をお願いするのは正直面倒くさいと思ったんですよね。

  
BtoBって結局信頼が大事なので、検討の際もいかにスムーズに情報を手に取れるかが大事だと思っています。そこで、検討タイミングで活用できる資料をまとめたクローズドサイトをご用意しており、稟議に必要な資料を一括で確認できるようにしています。

顧客の閲覧があった際にはSlackで通知される仕組みを導入しているので、セールス側からのフォローアップもしやすくなっています。

コンテンツデリバリーサイト:https://fo-sales.hmup.jp/

ご参加者さまからのご質問

イベント当日、マーケ・営業の連携方法からKPIの管理方法まで
具体に踏み込んだご質問を沢山いただきました!

ピックアップして一部ご質問・回答をご紹介いたします。

Q.

ぶっちゃけマーケとセールスでぶつかるシーンはありますか?

A.

林: あまりないですね(笑)上位レイヤーのメンバー同士が仲良くしていることが、やはり重要だと思います。
マーケから見ると、商談数や受注率が下がっているとセールスを詰めたくなる場面もあるんですが、それも「自分たちマーケの責任」と考えるようにしています。

神田: 昔は「マーケ、こうしたほうがいいですよ!」なんて言ってた時期もありましたが(笑)、今はマーケ・セールス双方の業務を理解している営業企画が間に入ってくれて、データベースで議論することがほとんどです。そのおかげで、ぶつかることはあまりないですね。

林: どちらの経験もあるメンバーが関わっているのは大きいと思います。片方だけの経験だと、どうしてもバイアスがかかってしまうので。

Q.

Salesforceからスプシにデータを連携する方法を知りたいです!

A.

林:Salesforceからデータを自動連携するのは、Salesforceコネクターという拡張機能を利用しています。

(参考)Salesforce Connectorとは?GoogleスプレッドシートとSalesforceの連携方法

Q.

施策ごとの受注率は、どのような定義(初回接触orCV時)で施策の効果を判断していますか?

A.

林:どちらも見ていますが、KPIとしては「直接貢献した施策」を軸に評価しています。
たとえば、展示会経由で獲得したリードがナーチャリング施策によって商談化した場合は、ナーチャリング側の成果としてカウントしています。

Q.

短期的・中長期的な課題は何でしょうか。また、これまでやっていた施策で、これはやめた方が良かった施策とその理由を教えて下さい。

A.

<マーケティング>
林: BtoBマーケティングのチャネルは限られているので、より受注につながりやすいターゲット層に絞り、その中でのリード獲得比率を高める施策に注力しています。

林:あとは最近の流れで言うと、AIによるノンクリック検索の増加もあり、SEOに代わる新しい集客施策の検討も必要だと感じています。広告については、現在Facebook、Google、Microsoftの媒体に配信しているのですが、SNS広告は小規模企業が多いため、配分を調整しつつ、最近ではLinkedIn広告もスタートしました。

今後は、調査レポートをホワイトペーパー化して活用する予定です。

 

<セールス>
神田: 短期的な課題としては、コンテンツセールスの体制が立ち上がってまだ半年ほどなので、中長期で追いかけた結果、本当に受注に繋がるのか?という点は、まだ検証ができていません。

中長期的には、現在1人のセールスメンバーがMRRの約7割を担っている状況なので、その人がいなくても成果が出せるよう、メンバー育成が急務だと考えています。

失敗した施策としては、バーティカル戦略(業界別戦略)ですね。
当時はセールスが5人ほどだったのですが、それぞれに「あなたは製造業担当」「あなたは人材業界担当」と業界ごとに担当を割り振る“縦割り”体制をとっていました。

ですが、1業界に1人しかいないため、受注率が低迷したときに「業界特性なのか」「担当者のスキルの問題か」が判断できず、マネジメントコストだけが増大……。成果に結びつきづらい体制だったと反省しています。

今回は、3月開催のユーザー会の内容をご紹介させていただきました!
いかがでしたでしょうか?意外とここまで実務の内容ってあまり知る機会がないと思うので、皆様のヒントになれば幸いです。

ferret Oneでは、今回のようなユーザー会の開催を不定期で行っております。
東京になかなかいらっしゃれない…という方も、オンラインでいつでも参加可能です!

<コミュニティにご参加いただいた方の特典>

  • オンライン上での情報交換や対面での交流会の先行ご招待
  • 機能改善要望の投稿や、新機能の先行モニターのご案内

ぜひコミュニティの参加にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです!

 

今後ともferret Oneをどうぞ宜しくお願いいたします。

お忙しい中ご参加いただいた皆様ありがとうございました!✨️

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