BtoBマーケティング立ち上げ事例

マーケ立ち上げ2年でリード獲得目標150%達成!
BtoBマーケ立ち上げから目標達成までの道のり
(株式会社ルネサンス様)

いつもお世話になっております。ferret OneCSの大井です!
2024年3月27日に、ferret Oneユーザー会を開催し、特別講演として株式会社ルネサンス様にご登壇いただきました。

株式会社ルネサンス様は、2年前にマーケティングの取り組みをゼロから立ち上げてから、リード獲得目標150%を達成という目覚ましい成果を出されていらっしゃいます。対面営業が中心だった社内で、どのようにしてマーケティングの仕組みを作っていったのか、当時のしくじり経験や成果につながった施策、意識したポイントなどをお話いただきました。

貴重な内容となっておりますので、ご参加ができなかった方もぜひご一読くださいませ!

株式会社ルネサンス
マーケティングデザイン部マーケティングサポートチーム 部長 宮路 大樹 様

2005年株式会社ルネサンスにフィットネストレーナーとして新卒入社。 新店立ち上げ等を経て、2014年、本社へ移動しデジタル系の企画運営に携わる(顧客LTV向上のためのデジタル企画や会員向けアプリのリリース、2020年コロナ禍における、オンラインフィットネス事業を立ち上げ)。そこで得た知見をもとに、2022年よりヘルスケア事業(主にBtoB・G)のマーケ部門の立ち上げを行い、部門横断的なマーケティング企画とオペレーションの整備を担当。

ferret Oneで運営しているサイト:https://rena-bg.s-re.jp/

2.事業紹介|ルネサンスとは

ルネサンスというと「スポーツクラブの運営会社」をイメージされると思うのですが、実は「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」という長期ビジョンを掲げており、ヘルスケア領域でも様々なサービスを展開しています。
BtoBとしては、企業や、健康保険者さま向けに健康経営支援のサービスを行っていたり、自治体向けとしては健康づくり支援としてスタッフの派遣を。また、最近では介護リハビリ施設の運営で培ったノウハウをBtoB向けに販売するというのもチャレンジしています。最近では「がんサバイバー」向けの事業もトライしています。

3.ferret Oneとの出会いと現在の成果

ferret One導入前にもスクラッチで作られたToB向けのサイトはあったのですが、メンテナンス担当者不在という状態で、更新ができていませんでした。

 過去にノーコードツールを使ってアプリを作っていた経験があり、ノーコードの機動力の高さを実感する原体験があったので、自分たちでメンテナンスしていくためにferret Oneの導入を決めました。

そうして、2022年1月ferret OneでLPを立ち上げ、同年10月にヘルススケアのサイトをリニューアル。2年前にマーケをゼロから立ち上げてから何かしらの方法で250件/月のCV(再CV含む)を獲得するという目標を掲げていましたが、現在は特に成果が上がった施策もあり600件〜700件ものCVが獲得できています。

4.Webマーケティングに取り組み始めたきっかけ

元々我々の営業組織はやや古めなスタイルで営業をしていまして、「デジタルって?」という状態で(笑)、お得意様にアウトバウンドでお伺いに行くというのが基本のスタイルでした。
私自身、BtoCを担当している時代も、「マーケティング」っていうと、会員の年齢層が何割くらいが多くて商圏何km圏内にどれくらいのお客様がいて‥という市場調査に近いものしかやっていませんでしたし、当時のBtoBメンバーも同じような感覚だったと思います。

 ですが、2020年以降コロナ禍で対面営業もできなくなったことで、売上の主戦場であったスポーツクラブの運営や対面のレッスンといったものができなくなり、売上が減少。そこで、来館に頼らないサービス開発が必要になり、私はオンラインレッスンのサービスを立ち上げを行っていました。

 同じタイミングで、これまで対面営業・属人化してきた営業活動を仕組み化しよう・デジタルを活用しようという大号令が出たのが2021年9月頃です。その一環でBtoBマーケティングの立ち上げが始まりました。

そこでまずやったのが、MAとSFAなどのツールと、テレアポ代行の導入でした。よくわからないけどとりあえず入れてみたという状態だったのですが‥まったくうまくいきませんでした(苦笑)振り返ってみるとこの時期は会社に数百万の大損失を与えてしまったなと‥感じています。

「誰に・どんな価値を提供するのか」ということを全然ブラッシュアップしないまま、「Howばかり」を追求してしまったのが、しくじりポイントでした。

5.Webマーケティング立ち上げ時の2つのハードル

やっぱり社内の認識として「マーケティングってなに?」というところがあって、営業部門からは「そんなのでお客さんくるんですか?」と言われたりしたこともありました。
テレアポで作れた商談の対応を営業担当にお願いしても「なんであんなお客さん呼んできたんですか?」と言われる始末。よかれと思ってやったことでコンフリクトが起きたりして、全然運用に乗らず、マーケティング活動の賛同が得られないのが結構しんどかったです。

あと、我々にもHowから入ってしまったという課題があって、元々BtoCの部署にいたこともあり、「どういう方がお客様なのか」「お客様はなぜ我々の商品を買い続けてくれるのか」ということの解像度が低い状態からスタートしていました。

そういった反省も踏まえて、とりあえずツールをいれるだけではだめだし、お客様の解像度を上げるためにも、インバウンドマーケティングに取り組んでいくことになりました。

6.自社商品の戦略(誰に・どんな価値を届けるか)を営業部門と共に作り上げる

そこでどういうことをやったかというと、(上記スライドを映しながら)手作りエクセルのようになっていて恥ずかしいんですが(笑)

(スライドのように)basicさんのオンボーディングでやっていただいたSTP・ペルソナ・カスタマージャニーマップの整理を、各事業むけに真似してやったんです。ターゲット・ポジションをどこに置くべきかというSTPや、どういう人なのかをペルソナで定義し、どこで態度変容・行動変容をするのかをジャーニーで整理する。このような仮説立てをめちゃくちゃやっていました。これがないとLPもコンテンツもWebサイトも作れないという状態だったので、各部署の部長と話をして、営業からも担当を選任してもらい、毎週膝を突き合わせて宿題をお互いに出しながら、一緒に作り上げていきました

決して重厚長大なものを作ったわけではなく、これでいいかわからないがこれで一旦走って見ようという指針として作るところから始まりました。

7.がむしゃらに走ってきた2年間・成果に寄与した施策

これまでの取り組みを振り返ってみると、結果的に上記のようなロードマップになるのですが、これも最初から計画的にやってきたわけではありません。都度手持ちの武器や今できることを組み合わせて、トライアンドエラーを繰り返していきました。

 施策をたくさんやって、うまくいったこと・うまくいってないことも出てきていますが、顧客解像度が上がり、『誰に・どのような価値を提供するか』が明確になってきたことで、色んなコンテンツを量産できる体制が整ってきましたし、営業の皆さんにもマーケティングの思考が芽生えてきました。

POINT 01  階段設計を意識したセミナー・メールマーケティング

最初は、basicさんにホワイトペーパーや記事を作ってもらって、それをメール配信するということをしていたのですがそれだけでは成果がでず、メルマガでもセミナーでも階段設計をするということをやっていました。メールで記事を配信するときも、メール・記事・CTAまでのストーリーを意識して行っています。

セミナーの企画も試行錯誤していき、当初10件〜20件ほどだった申込みも、2月には「デイサービス事業者様必見!専門職がいなくてもできる効果的な口腔嚥下アプローチ」というテーマで210件の申し込みが集まるという衝撃的な数値になりました(笑)

そこから、さらに興味転換してもらうためのセミナーをアンケートで案内できるようにし、8.57%のお客様が今すぐ顧客へステップアップ。そして参加者18件の内14件が商談になるという成果に繋がりました。

また、FAXでの案内も活用したことでセミナーの参加者数も増やすことができました。
介護施設の職員さんってメールアドレス持っていなくて持っててもGmailだったりするので、FAXで送ると「このテーマ面白そう」とセミナーにも興味を持ってくれるというのはあるようです。

これらは実はすぐやって効果がでたものではなく、これまでやってきたコンテンツや準備してきたコンテンツをリサイクルして、誰向けにどのようなメッセージで届けるかをブラッシュアップして、私たちもびっくりする成果が出た施策です。

POINT 02  記事制作による流入獲得・サイト改善

記事制作・サイト改善については、伴走MTGでbasicさんから「こういうところをテコ入れした方がいいですよ」と言ってもらいながら、記事を大量に公開しました。2年で120くらいのコンテンツをリリースしてますね。事業部門にもめちゃくちゃストレスをかけているんですけど(笑) 各部門の担当者、協力・監修してもらって作っています。

最近、オーガニック検索からCVするというのが少しずつ出てきているので、やっぱり地道にやってよかったよねと手応えを感じています。

POINT 03  その他|オンライン学習サービスを利用した「マーケティングの共通言語化」 

また、グロースXというBtoBマーケティングのオンライン学習サービスをご存知でしょうか?実はこれも利用をしていました。なぜこれを活用していたかというと、「マーケティングの社内研修コンテンツを作って、マーケの仕組みを体系化してほしい」という無茶振りが降ってきまして(笑) 私もまだよちよち歩きでできるわけがないと思い、外部コンテンツを利用しようと言うことになりました。
ここでは「ペルソナやSTPを決める」といった私たちが既に行ってきたことや、常に顧客の成功(誰の何を?)と言うマーケティングの基本思考を繰り返し学びました。

これをきっかけに、「あの時 宮路が言ってたのはこういうことだったんだ」と社内のドライブがかかるようになったと思います。マーケティングに関する共通言語ができて、根付いてきたのがすごくよかったです。

8.今後取り組んでいきたいこと・メッセージ

今後取り組んでいくこととして、「成果にこだわる」「共通言語化」「パーセプションチェンジ」この3つを意識していきたいです。

◆成果にこだわる

2年間成果がでたという風にお話したんですが、実はまだROIがどうなっているか、LTVどうなっているかっていう話はまだ全然できてないのが正直なところです。投下した予算や施策がどう成果に結びついたのかを2024年は見える化するための部署横断の取り組みを進めています。

 ◆共通言語化

私たちがこうやって話していることを「あいつらなんかカッコつけて言っているぞ」と斜に構えるのではなく、みんなで同じ言葉で喋っていくのが大事だと感じているので、より対象者を広げて共通言語化をしていきたいです。

◆ パーセプションチェンジ

私たちはスポーツクラブの会社と見られがちなんですが、スポーツ・ヘルスケア全体の健康づくりの会社を長期ビジョンとしても掲げているので、「ルネサンスといえば、健康課題の解決に貢献するヘルスケアの会社だよね」と認識を変えていただけるような取り組みを行っていきたいと思います。

9.ユーザー会ご参加者様からの質問

講演後、ご参加者様からたくさんのご質問をいただきましたので、いくつかピックアップしてご紹介します!

(ご参加者様から時間いっぱいまでご質問をいただきました!)

Q. 2年間で100記事程作ったとお話されていたのですが、すべて1から作って書かれていたんですか?それともChatGPT等も使って作られていたんですか?記事を量産した工夫があればおしえてください。
A.

正直いうとすべてベーシックさんに作ってもらってます。
SEO記事制作では、KWの選定・テーマの方向性・構成のおおよそのものを自社で作って、制作をベーシックさんに依頼するというやり方にしていました。ただ、これが結構しんどくて(笑)。
ある程度、核となるピラーの記事はできてきたので、SEOの観点で周辺領域を抑えられるよう企画から依頼したいと思っています。

Q.

セミナー運営の体制面について伺いたいです。色々なサービスがあると思うのですが、サービスごとに担当を立てていらっしゃいますか?

A.

基本的にはマーケ担当の役割を各事業部に2名くらい置いてもらって、一緒にブラッシュアップしていくということをしています。
一般的な会社に比べて数多くのセミナーができているわけではなく、過去のセミナーを録画して、月4本くらい使い回して、業務負荷を下げるようにしています。
企業の健康経営のテーマなので、時期によって興味関心のテーマの変化や繁忙期があり、時期ごとにこのセミナーを流そうとか、いつでも見れる状態にしていたりします。

Q.

グランドデザインはどれくらいのスパン・期間で設計・振り返りをしていましたか?

A. 正直、過去2年間はグランドデザインのようなものはなくて、できる施策を手当たり次第に取り組んでいました。今年は年間の企画書を作成して、施策・予算をプロットし、クオーターごとに設定したマイルストーンが達成できているか、振り返りをしていきたいです。

改めて、ルネサンス様のお話を伺い、一貫して「誰に・何を・どのように伝えるか」というコミュニケーション設計を意識されていること、営業部の皆様と一緒にコンテンツを作り上げていく雰囲気を醸成しながら「マーケティング」の共通言語を作られていたこと、そして、とにかくトライアンドエラーを重ねて大きな成果を出されていることが本当に素晴らしいと感じました。

特にマーケティングをゼロから立ち上げていると暗中模索の状態に陥りやすく、本当に成果がでるのか不安になることも多いと思いますが、勇気や励みを得られる内容だったのではないでしょうか。

今後もferret Oneユーザー同士が交流できる機会や情報交換会などを企画していければと思っております。

今後ともferret Oneをどうぞ宜しくお願いいたします!

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