【初心者向け】まずはこれだけ見ればOK!ferret Oneのレポート機能をサイト改善に活かす方法(後編・改善編)
本記事では、Webマーケティングに欠かせない、データ分析をもとにした具体的な改善の方法についての解説記事です。「ferret Oneのレポート機能でどのようにPDCAを回していけるのか」を実際の事例を用いて紹介します。ferret Oneのレポート機能を活用して、データの読み解き方とその活用方法を学び、Webマーケティングの精度をより高くしていきましょう!
なお本記事は、レポート機能の2部作あるうちの後編(改善編)となります。
前編(分析編)はこちら:
目次[非表示]
- 1.課題別・ページ改善の方針
- 1.1.1.流入数が多くCVRが低いページ
- 1.2.2.直帰率が高いページ
- 1.3.3.CVが多く流入数が低いページ
- 1.4.4.滞在時間が短いページ
- 1.5.5.離脱率が高いページ
- 1.6.SEO施策(記事コンテンツ)を行うときのポイント
- 2.振り返りを行うときのポイント
- 3.まとめ
課題別・ページ改善の方針
前編(分析編)で明らかになった、ページの課題別に取るべきアクションを整理しました。
1.流入数が多くCVRが低いページ
機能:レポート・データ>ランディングページ
このレポートを確認するには、訪問数を降順に並び替えます。
訪問数が多い一方でCVRが低いページを洗い出しましょう。基準は0.5%以下かどうかが目安となります。
改善のためのチェックポイント
- CVポイントの設置:CVポイントが適切に設置されているか確認しましょう。
- サイト内の回遊促進:訪問者が他のページに回遊しやすいよう、内部リンクやおすすめ記事を設置していますか?
- ユーザビリティの向上:ページの内容が直感的に頭に入って来るように設計されているか、人格を変えて見直してみましょう。
2.直帰率が高いページ
機能:レポート・データ>ランディングページ
このレポートを確認するには、直帰率を降順に並び替え、直帰率が高い(=悪い)ページを洗い出します。目安として「直帰率が90%以上」のページは要改善です。
改善のためのチェックポイント
- ファーストビュー(FV)の情報:ファーストビューに必要な情報が出ているか確認しましょう。訪問者にとって重要なメッセージが一目で伝わるようにします。
- クエリの確認:サーチコンソールで、どのようなクエリで該当ページに入ってきているかを確認し、ユーザーの検索意図に対する適切な内容が含まれているかを確認します。
- ページの内容と訪問者のニーズの一致:ページの内容が訪問者の期待に合っているか確認し、必要なら内容を調整しましょう。
<参考:業界別の平均直帰率>
ここでは、業界別の直帰率のサンプルを紹介します。
飲食関連のWebサイトは、飲食店の住所やメニューなど短時間で十分な情報を得られるため、直帰率が高くなる傾向があります。一方で、不動産関連のWebサイトは複数ページに渡っての情報収集になるため、直帰率が低くなります。
業界 |
平均直帰率 |
飲食 |
65.62% |
IT |
62.24% |
アート・エンターテイメント |
56.52% |
法・行政 |
55.06% |
コンピューター・電子機器 |
54.54% |
インターネット・通信 |
53.59% |
金融 |
51.71% |
不動産 |
44.50% |
参照:https://cxl.com/guides/bounce-rate/benchmarks/
<参考:サイト種類別の直帰率目安>
次に、サイト種類別の直帰率のサンプルを紹介します。
辞書系のサイトは、飲食関連のWebサイトと同じように目的が済めばすぐに離脱するため、直帰率が高くなります。ブログも、SNS経由でのアクセスだと1ページで離脱することが多くなります。一方でECサイトやBtoB向けのWebサイトは、サイト内を回遊し商品について検討するため直帰率が低くなります。
サイトの種類 |
直帰率の目安 |
辞書・ブログ・ポータル |
65~90% |
ランディングページ |
60~90% |
BtoB商材のサービスサイト |
25~55% |
EC・小売 |
20~45% |
3.CVが多く流入数が低いページ
機能:レポート・データ>ランディングページ
このレポートを確認するには、CV数を降順に並び替えます。CVが多いが流入数が少ないページを特定し、そのページへの流入を増やすための対策を講じましょう。
改善のためのチェックポイント
- SEOの強化:検索エンジンでのランキングを向上させるために、ユーザーニーズを満たすコンテンツになっているか考え直してみましょう。
- 内部リンクの強化:関連するページからの内部リンクを増やし、訪問者をこのページに誘導します。ブログなどでも、CVRが低いブログからCVRが高いブログに導線を設けることで、CV数が向上した事例もあります。
- プロモーションの実施:メール配信やSNS発信などを活用して、このページへのトラフィックを増やすための施策を行います。
4.滞在時間が短いページ
機能:レポート・データ>全ページ・ランディングページ
よく見られているページの中から滞在時間が短いページを特定し、そのページのコンテンツを充実させましょう。
滞在時間の目安は以下です。
- ブログ記事やニュース記事:1.5~3分、(ボリュームのあるブログだと滞在時間が伸びることも)
- 製品紹介ページ:2~4分
- 事例ページ:3~5分
- ホームページ:1~2分
- フォームページ:0.5~1.5分(フォーム入力の短時間で完了することが期待されるため)
滞在時間がこれらの目安を大きく下回る場合は、以下のような改善が必要です。
改善のためのチェックポイント
- コンテンツの充実:ページの内容が訪問者にとって十分に価値があるか確認し、必要に応じて情報を追加します。ユーザーのニーズにあった内容をページの上部に出す工夫や、ユーザーの態度変容を考えてページ構成を見直しましょう。
- 画像や動画の活用:動画や画像など様々な種類のメディアを活用して、ページの視認性を高めましょう。
- 読みやすさの向上:テキストのフォーマットを改善し、段落や見出しを効果的に使用して読みやすさを向上させましょう。ブログなどでは段落わけ、見出しを見ただけで何が書いてあるかわかるような工夫も必須です。
- 内部リンクの強化:関連するコンテンツへのリンクを追加し、訪問者が他のページに移動しやすくしましょう。サイト内回遊を促すことはエンゲージメント向上、検索エンジンからの評価向上などにも繋がり、多くの情報に触れることでCVRの向上も見込めます。
5.離脱率が高いページ
機能:レポート・データ>全ページ
このレポートを確認するには、離脱率を降順に並び替えます。目安として離脱率が70%以上のページを改善対象とします。離脱率の理想数値は60%以下です。中でも「離脱が70%以上」のページは要改善対象です。
このレポートを確認するには、離脱率を降順に並び替えます。目安として離脱率が70%以上のページを改善対象とします。
離脱率の理想数値は60%以下です。
サイト内のページ数が多い場合は流入数別に降順で並び替え、訪問数が多い中で「離脱が70%以上」のページを改善しましょう。
改善のためのチェックポイント
- ページの内容と目的の一致:ページの内容が訪問者の目的に合っているか確認し、内容を調整しましょう。
- CTAの最適化:訪問者に次のアクションを促すためのCTAが明確に設置されているか確認しましょう。
- ユーザビリティの向上:ページのデザインやナビゲーションが訪問者にとって使いやすいものになっているか確認し、必要なら改善しましょう。
SEO施策(記事コンテンツ)を行うときのポイント
記事コンテンツによるSEO効果を最大化するためには、ターゲットとするキーワードの選定とそのキーワードに対するコンテンツの最適化が重要です。流入数や順位を見て、どのコンテンツが最も効果的か、または改善が必要かを考えていきます。
まずは下記の手順で分析してみましょう。
1.レポート・データ>ランディングページ を開く
2.検索窓に「/xxx」(ブログのURL)を入力、「含む」で検索
- ferret Oneのサービスサイトの場合は「https://ferret-one.com/blog」なので「/blog」と入力
- 必要であれば期間の指定(先月の数値など)
3.訪問数やCV数などで表示を並べ替える
4.以下のような視点で改善ポイントを見つけ、施策の改善に取り組む
- 訪問数が多いページ:流入がCVに繋がっていない原因は何か?CVポイントやサイト内回遊を促せているか?
- 実際にCVに繋がったページ:どのCTAからCVしたか?(イベント設定でCTA別のクリック数を取得できます)
- CV率が高いページ:流入をもっと増やすには?他ページ・ブログにもリンクを設置できないか?
<SEO機能>
レポート・データ>SEOにて、任意で登録いただいたキーワードについて、Googleで検索した際の掲載順位が日々自動で計測され表示されます(キーワード登録後から計測開始になります)
まずはサイト全体で取りたいキーワードを登録、ブログ記事などを書く際は「狙っているキーワード」を登録しましょう。対象キーワードでの流入数なども確認でき、そのキーワードで検索したユーザーがランディングでどのURL・ページに入ってきているのかも見ることができます。
キーワードごとのGoogle掲載順位からどのキーワードが効果的でどのキーワードが改善を要するかを把握することができるため、Google掲載順位に大きな変動があれば、コンテンツの更新や改善、見直しなどを検討しましょう。
※レポート>集客>SEOから閲覧できます
振り返りを行うときのポイント
施策の振り返りは、過去のデータを分析し、どの施策が成功しどの施策が改善を要するかを明確にするために必要不可欠です。月次や四半期ごとの期間でも振り返りを行いましょう。
下記の手順で振り返りをしてみましょう。
1.レポートデータ>チャネル(1年間・半年間など、見たい期間を指定して月別表示)
2.全体を見てどのチャネルからの流入が多いのか確認
- ダイレクト:再現性を得ることは難しいですが、変化が大きい場合、何か要因がないかは確認しましょう。(オフラインの場でQRコードを配布したがパラメータのつけ忘れでダイレクトになっている、他のツールからメルマガを送付してキャンペーンが適切にセットされていなくてダイレクトになっている など)
- 広告:実施している場合は順調に成果がでているか確認できます。広告運用中は短いスパンで広告成果を確認するようにしましょう。
- メール:送ったメルマガからの流入を示すため、送る回数や内容からどのメルマガがヒットしていたのか?なども確認しましょう。
- オーガニック:急上昇・急下降があった場合、要因をGoogleトレンドやGoogleサーチコンソールを見て探りましょう。記事の更新を止めると流入も下降傾向になることがあります。
- リファラル:被リンクのあるサイトからの流入です。比較サイトなどにも出稿していれば流入元と合わせて成果を見るようにしましょう。
- ソーシャル:SNS発信をしていれば、どの投稿が興味関心を持たれたのか確認しましょう。特に自社でSNS発信はしていなければ、誰かが良い / 悪い発信をしている可能性があるので要確認です。
3.それぞれの改善ポイントを見つけて施策の改善に取り組む
- 訪問数が多いページ:流入がCVに繋がっていない原因は何か?CVポイントやサイト内回遊を促せているか?
- 実際にCVに繋がったページ:どのCTAからCVしたか?(イベント設定でCTA別のクリック数を取得できます)
- CV率が高いページ:流入をもっと増やすには?他ページ・ブログにもリンクを設置できないか?
まとめ
今回は、ferret Oneを用いたWebマーケティングのレポート確認とデータ分析方法について解説しました。ダッシュボードのチェック、レポート・データ機能の使用方法、それぞれの分析方法について具体的なポイントをご紹介しておりますので、ぜひ今後のWebマーケティングの分析にご活用ください。
より深く分析するための操作レクチャー資料も用意していますので、ぜひチェックしてみてください!