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BtoBサービスサイトのためのライティングメソッド2『キャッチコピーにおける大きな誤解』

ferret Oneクリエイターズでライターを務めている鈴木と申します。


この連載『BtoBサービスサイトのためのライティングメソッド』では、BtoB事業を営む企業の皆様が、効果的なWebマーケティングを内製化できるようになるための文章作成法をお届けします。

私がこれまで広告事業やコンテンツライティングに携わってきた経験をもとに、

  • BtoBサービスサイトでの効果的な文章の書き方

  • 企業が陥りがちなNG例
  • そもそも文章の良し悪しは何で決まるのか

などをお伝えしていきます。
連載は全5回を予定しています。ぜひ第1回から順にご覧ください。

  1. せっかく書いた文章が人に伝わらない理由

第2回では、実際にBtoBサービスサイトで最初に閲覧されることとなるキャッチコピーに関する基本的な知識をお伝えします。

キャッチコピーにおける間違った固定観念

広告用語辞典によると、“キャッチコピー”とは、“広告コピーのうち、読者の関心を呼び、注目度を高める言葉のこと”とあります。

自社のBtoBサービスサイトのキャッチコピーを考えるにあたって、様々な企業のWebサイトを参考にされることと思います。

いろいろマジカル。
引用:Apple

明日の笑顔を 共に創る
引用:セブン‐イレブン

私たちは問い続ける。Panasonic Quality
引用:Panasonic

(いずれも2025年11月末時点)

多くの場合、このような例こそがキャッチコピーであると想像され、自社のWebサイトのキャッチコピーに応用されがちです。

しかしながら、実はこれらは、広告における「キャッチコピー」という手法の中の極端な例でしかありません。

特に「BtoBサービスサイトのキャッチコピー」を考えるにあたって、これらの例はあまり参考にならないと私は考えます。

一体どういうことなのか、順を追って解説します。

これがキャッチコピー!?という意外な例

ここで、「架空のコンビニエンスストアが街頭広告を制作した」と仮定した場合の例を見てみましょう。

これは「Alwaysという架空のコンビニエンスストアが国道沿いに看板を立てた」と仮定した場合のAI生成イメージ画像です。

【この先500mにコンビニあります】という文言から、ドライバーに対してコンビニエンスストアの存在を予告する看板であることがわかります。

ロゴの下には【いつも、あなたのそばに。】という、このコンビニエンスストア自体のキャッチコピーだと思われる文言が小さく記載されています。

皆さんも、車の中からこのような看板を目にした経験が一度はあるはずです。

では、この看板の中で、キャッチコピーとはどの文言を指すでしょうか?



答えは、【この先500mにコンビニあります】です。

先ほどお見せした企業のWebサイトの例にならえば、【いつも、あなたのそばに。】がキャッチコピーとなりそうなのに、この看板においては【この先500mにコンビニあります】という、ある意味では非常に野暮ったい文言がキャッチコピーになっています。

では、この2つの文言のバランスを逆にしてみるとどうでしょう。

文言のバランスを逆にしたことで、多くの人が認識しているとおり【いつも、あなたのそばに。】がキャッチコピーらしくなりました。

しかし、この看板の目的は「ドライバーに対してコンビニエンスストアの存在を予告すること」であるはずです。

ドライバーたちは、脇見のできない運転中に、ロゴの下の小さな文言まで瞬間的に読解できるでしょうか?

おそらくはキャッチコピーに気を取られ、その下の小さな文字まで意識が向かないでしょう。

やはり、「ドライバーに対してコンビニエンスストアの存在を予告する」という目的の看板においては【この先500mにコンビニあります】こそが適切なキャッチコピーであるわけです。

キャッチコピーは「目的」で決まる

上記の例でおわかりいただけたとおり、キャッチコピーとは「読者の関心を呼び、注目度を高める」だけでは不充分であり、誰に何を伝えたいのかという「目的を果たす」ことで初めて成立するのです。

我々の日常生活は、実は多種多様なあらゆるキャッチコピーで溢れています。

国道沿いの看板の【この先500mにコンビニあります】スーパーマーケットのチラシの【本日特売!】夏の中華料理店の【冷やし中華はじめました】、これらすべてがキャッチコピーであるわけです。

同じ「キャッチコピー」という概念であるはずなのに、【明日の笑顔を 共に創る】などのスタイリッシュな文言と、【この先500mにコンビニあります】【本日特売!】などの野暮ったい文言では、随分と印象が違います。

それは、それぞれのキャッチコピーが担っている目的が違うからです。

セブン‐イレブンやPanasonicのキャッチコピーは、不特定多数の消費者へ一度に情報を届ける“マスマーケティング”の目的で制作されていることがわかります。

マスマーケティングは、有名人が起用されたり、莫大な予算と規模で展開されるため、多くの人の脳裏に「キャッチコピー = マスマーケティングのキャッチコピー」という固定観念が植え付けられています。

しかし、我々が取り組んでいるBtoBマーケティングとマスマーケティングとでは、目的も場面も手法も、全く異なるはずです。

これが、BtoBサービスサイトのキャッチコピーを考えるにあたってセブン‐イレブンやPanasonicが参考にならない理由です。

「キャッチコピー = マスマーケティングのキャッチコピー」という固定観念は誤りです。

マスマーケティングで制作されたキャッチコピーは、キャッチコピーという手法の中の極端な例でしかありません。
キャッチコピーとは、目的によって臨機応変に制作されるべきものなのです。

BtoBサービスサイトに相応しいキャッチコピーとは!?

では、BtoBサービスサイトにとって相応しいキャッチコピーや効果的な文章の書き方はどんなものなのか。

それについては、連載の次回以降に解説しましょう。

今回、私がお伝えしたかったのは、

  • 「キャッチコピー = マスマーケティングのキャッチコピー」ではない

  • キャッチコピーは、誰に何を伝えたいのかという「目的を果たす」ことで初めて成立する

ということです。


この記事によって、キャッチコピーにおける間違った固定観念についてご理解いただけましたら幸いです。

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私たちはferret Oneでのサイト立ち上げ・サイト運用を支援するカスタマーサクセスに所属する制作グループです。 ferret Oneに特化したクリエイティブや、BtoBマーケティングをベースとしたサイト制作を、年間100件以上ご相談いただき、ご提案〜納品まで対応しています。
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