
BtoBサービスサイトのためのライティングメソッド3『ペルソナ設定だけでは不充分なBtoBサービスサイトの落とし穴』
ferret Oneクリエイターズでライターを務めている鈴木と申します。
この連載『BtoBサービスサイトのためのライティングメソッド』では、BtoB事業を営む企業の皆様が、効果的なWebマーケティングを内製化できるようになるための文章作成法をお届けします。
私がこれまで広告事業やコンテンツライティングに携わってきた経験をもとに、
BtoBサービスサイトでの効果的な文章の書き方
- 企業が陥りがちなNG例
- そもそも文章の良し悪しは何で決まるのか
などをお伝えしていきます。
連載は全5回を予定しています。ぜひ第1回から順にご覧ください。
これまで、文章の作成には「目的の明確化」と「目的を達成させるためのブラッシュアップ」が大切であることをご理解いただけたかと思います。
第3回となる今回では、いよいよ本題であるBtoBサービスサイトに着目し、「BtoBサービスサイトが目指すべき指針」を改めて明文化してお伝えします。
BtoBサービスサイトが目指すべき指針とは
企業の皆様がBtoBサービスサイトの新規制作やリニューアルを検討される際のきっかけは多岐に渡ります。
認知拡大・ブランディング・理解促進……多くの場合に、これらこそがBtoBサービスサイトの目的として語られます。
確かに、それらがBtoBサービスサイトによって期待できる成果であることに間違いはありません。
しかし、それらは営業資料・ホワイトペーパー・展示会ブースなど、BtoBサービスサイト以外のすべてのマーケティング施策にも当てはまります。
つまりそれらは、あくまで「マーケティングの目的」であるため、「BtoBサービスサイトの目的として位置付けるには解像度が低い」と、私は思わざるをえません。
BtoBサービスサイトの新規制作やリニューアルは、従来のマーケティング施策に手詰まりを感じ、見込み顧客との新たなタッチポイントの創出を期待して着手されるはずです。
それなのに、従来のマーケティング施策と同様の認知拡大・ブランディング・理解促進などにばかり目を向けてしまうと、結局のところ従来と大して変わらない制作物となってしまい、大きな成果は期待できないのです。
では、BtoBサービスサイトで目指すべき指針は何なのか。
それはずばり、「ターゲットに問い合わせをしてもらうこと」です。
……いやいや!そんなの当たり前じゃないか!と思われましたか?
しかし、「ターゲットに問い合わせをしてもらうこと」こそがBtoBサービスサイトでは最も高いハードルであり、多くのBtoBサービスサイトで意識されていない落とし穴であると、私は考えます。
一体どういうことなのか。順を追って解説します。
BtoBサービスを選ぶ立場の状況シミュレーション
「ターゲットに問い合わせをしてもらうことがいかに難しいか」は、BtoBサービスを選ぶ側の立場を想像すると理解しやすくなります。
一例として、「自社のオフィスを清掃してくれる業者をインターネットで探す」という状況をシミュレーションしてみましょう。
概ねは、このような流れとなるはずです。
- 検索サイトで「オフィス 清掃 ○○県○○市」などでキーワード検索する
- 検索結果に表示された多数のサイトを見比べる
- 信頼できそうな数社に絞り込み、フォームや電話で問い合わせる
自社のオフィスを清掃してくれる業者をインターネットで探すとして、見比べたすべてのサイトに問い合わせをするでしょうか?
多くは、信頼できそうな数社に絞り込んだ上で問い合わせをするはずです。
清掃業に限らずどんな事業であっても、あらゆる類似サービスが存在しているため、膨大な数の業者のサイトを見比べる必要があります。
「このサイトはサービス内容がよくわからないな」「さっき見たサイトのサービスの方が信頼できそうだな」と感じたらすぐにサイトを閉じて、次の業者のサイトに移りたくなるはずです。
BtoBサービスサイトは、最終的に問い合わせ先として数社に絞り込まれる過程で、何十社〜何百社もの企業がいとも簡単に振り落とされているのです。
ペルソナ設定だけではBtoBサービスサイトが不充分な理由
さらに、BtoBサイトが閲覧されるにあたって「ペルソナがどんな状況にあるか」を想像する必要があります。
マーケティングにおいて、ターゲットの職種や役職などの具体例である「ペルソナ」の設定が重要であることは言うまでもありません。
このペルソナ設定を元に、事業案内パンフレットや営業資料など、あらゆるマーケティング資料の制作に取り組まれていることと思います。
ここで、企業が陥りがちなNG例として、事業案内パンフレットや営業資料から文言をそのままBtoBサービスサイトへ流用してしまうというケースが多く見受けられます。
「ペルソナ設定が同じなのだから既存の資料から文言を流用できるだろう」と考えてしまうのが、BtoBサービスサイトの落とし穴です。
事業案内パンフレットや営業資料は、既に事業に対して関心があり、情報収集に対して能動的に時間を割こうとしているターゲットが手に取ります。
それに対して、先ほどのシミュレーションのとおりBtoBサービスサイトは、忙しい勤務中の合間を縫って、膨大な比較対象の中から信頼できそうな取引先をいち早く見つけようとしている状況で閲覧されます。

同じペルソナ設定であっても、マーケティング施策によって、閲覧される際にペルソナが置かれている状況や抱いている感情はまったく異なるのです。
BtoBサービスサイトは、ターゲットにいつ離脱されてもおかしくない危機感と常に隣り合わせの状態にあります。
認知拡大・ブランディング・理解促進などの以前に、“ターゲットを離脱させず、確実に問い合わせをしてもらうためのサイト作り”が最重要であるわけです。
これが、BtoBサービスサイトを構築する上でペルソナ設定だけでは不充分な理由です。
確実に問い合わせをしてもらうためのライティングとは?
当たり前に達成できそうな「ターゲットに問い合わせをしてもらうこと」が、いかに困難なことであるかをご理解いただけたかと思います。
では、BtoBサービスサイトには具体的にどんな文章を記載すればいいのか。
それについては、連載の次回以降に解説しましょう。
今回、私がお伝えしたかったのは、
- BtoBサービスサイトでは「ターゲットに問い合わせをしてもらうこと」を指針とする必要がある
- ターゲットを離脱させず、確実に問い合わせをしてもらうためのサイト作りが最重要
ということです。
この記事によって、BtoBサービスサイトに取り組む姿勢を今一度見直していただけましたら幸いです。



