
BtoBサービスサイトのためのライティングメソッド5『文章によってサイトを回遊させCVを生み出す方法』
ferret Oneクリエイターズでライターを務めている鈴木と申します。
この連載『BtoBサービスサイトのためのライティングメソッド』では、BtoB事業を営む企業の皆様が、効果的なWebマーケティングを内製化できるようになるための文章作成法をお届けします。
私がこれまで広告事業やコンテンツライティングに携わってきた経験をもとに、
BtoBサービスサイトでの効果的な文章の書き方
- 企業が陥りがちなNG例
- そもそも文章の良し悪しは何で決まるのか
などをお伝えしてきました。
ぜひ第1回から順にご覧ください。
最終回となる第5回では、BtoBサービスサイトにおける「サイトの回遊」と「CVの創出」を文章によって達成させる方法をお伝えします。
BtoBサービスサイトの閲覧は「読書」ではない
サイトの回遊やCVを生み出すためには、「徹底的なターゲット目線で文章を構築すること」が重要となります。
BtoBサービスサイトと、同じく文章を中心に構成されるマーケティング施策である事業案内パンフレットや営業資料とでは、ターゲット目線がどのように異なるのかを考察してみましょう。
事業案内パンフレットや営業資料は、既に事業に対して関心があり、情報収集に対して能動的に時間を割こうとしているターゲットが手に取ります。
これは、いわば小説やビジネス書などの「読書」に近い目線であると言えます。
それに対してBtoBサービスサイトは、忙しい勤務中に複数の競合を比較検討しながら、その気になればいつでも離脱できる厳しい状況下で閲覧されます。
これはもはや「読書」ではなく「判定」の目線であると言えるでしょう。
ターゲットは、膨大な数の競合サイトを「どんなサービスか」「自分の状況に関係があるか」「信頼できそうか」「問い合わせる価値があるか」などで判定しながら、このサイトは回遊すべきか否かの判断を下します。
つまり、BtoBサービスサイトに必要なのは「読ませる文章」ではなく「判定に通過できる文章」であるわけです。
「判定に通過できる文章」を見出すためには、vol.3でもお伝えしたように、ターゲットが今どんな状況で、どんな気持ちで、どんな経緯でサイトに辿り着いたかという「動線」を想像することが重要です。
ターゲットの動線シミュレーション
例えば、前回と同様に、「自社のオフィスを清掃してくれる業者をインターネットで探す」という状況をシミュレーションしてみます。
ターゲットの動線が考慮されていないBtoBサービスサイトには、このような文章が連なることとなるでしょう。

見出し:
私たちは、清掃を通じて
人と街に“心地よさ”を届けます
本文:
株式会社〇〇は、創業30年にわたり地域の皆様と共に歩んできました。
私たちが大切にしているのは、単に汚れを落とすことではなく、空間そのものに価値を生み出すことです。
オフィスは働く人々の想いが集まる場所だからこそ、私たちは一つひとつの現場に真摯に向き合い、丁寧で誠実な清掃を心がけています。
清掃に関することなら、どんなことでもお気軽にご相談ください。
確かに、オフィス清掃業者を探しているどんな企業にも当てはまる文章ではあります。
しかしながら、誰にでも当てはまる文章は比較検討の材料とならないため、結果的に誰にも刺さらず、あっという間にサイトからの離脱を招くこととなります。
ひとくちにオフィス清掃業者を探している企業と言っても、解像度を高く突き詰めていくと、サイトに辿り着くまでには様々な動線が存在します。
- 清掃の外注を初めて検討している
- 今の清掃業者に不満がある
- 急ぎで依頼したいが、どこも対応が遅い
- 定期清掃が必要だが、毎月のコストは抑えたい
- 社内で衛生基準が厳しくなり、監査対応が必要になった など
これらの動線と、これらに対して「自社がどんなベネフィットを提供できるか」を具体的に言語化することで、BtoBサービスサイトに記載すべき「判定に通過できる文章」は自ずと形になってきます。
もしも私がオフィス清掃業者であるなら、ターゲットの動線を考慮し、このような文章を制作します。

見出し:
外注が初めての総務担当者でも安心!
安定品質のオフィス清掃で貴社に貢献します
本文:
株式会社〇〇は、法人オフィス清掃に特化し、定期清掃・スポット清掃のどちらにも対応しています。
最短翌日からのスピード対応はもちろん、現地確認とお見積りは無料。
清掃範囲や頻度を調整し、必要な品質を保ちながら毎月のコストを抑えるプランをご提案します。
衛生基準の厳格化や監査対応が必要な企業様向けに、清掃チェック表・作業報告などの運用も安心してお任せいただけます。
ふたつを見比べていただければ、どちらが比較検討の候補に挙がれるかは、一目瞭然です。
ペルソナ設定だけではなく、ターゲットの“今の心の声”を解像度高く言語化できれば、ターゲットは「このサービスこそ我が社が求めている取引先だ」と判定してくれる可能性が高まるわけです。
「サービス詳細ページ」と「選ばれる理由」ページの切り分け方
BtoBサービスサイトでは、ページごとの役割の分類も重要です。
よく陥りやすいのは「サービス詳細ページ」と「選ばれる理由ページ」の情報の混同です。
ターゲットがせっかく2ページに渡って回遊してくれたのに、結局同じような内容が2ページに渡っていては、ターゲットにストレスを与え、事業に対して悪い印象を抱きかねません。
段落の構成で意識するべきなのは「ターゲットに情報をインプットさせる順序」です。
当たり前なようでつい忘れがちなのが「ターゲットは貴社の事業についてまったく情報を知らない人」だということです。
「そもそもどんなサービスなのか」がわからなければ、比較検討どころか興味関心にすらなりえません。
この「そもそもどんなサービスなのか」を担うのがサービス詳細ページです。
例として、オフィス清掃業者の場合は下記のような情報が該当します。
- 対応範囲(床、トイレ、共用部)
- 提供内容(定期、スポット、巡回)
- 進め方(見積→実施→報告)
- 体制(担当者数、連絡手段)
- 料金体系(時間、面積、回数)
サービス詳細ページの内容をインプットできた上で、さらにターゲットが抱くと想定される疑問を言語化します。
- なぜ品質が担保できるのか(徹底したマニュアル、チェック体制)
- なぜスピード対応できるのか(事業所の豊富さ)
- なぜ他社より安心なのか(創立00年、0000件の実績)
これらこそが文字通り「選ばれる理由」であり、選ばれる理由ページへの記載に相応しい内容です。
サービス詳細ページで「そもそもどんなサービスなのか」をインプットさせた上で、選ばれる理由ページで比較検討に優位な情報を提供する。
この流れを文章で作ることで、サイトは自然に回遊され、CVへとつながるのです。
CVに必要な情報だけを厳選する
そして、原稿を準備するにあたって注意すべきなのは「BtoBサービスサイトは、事業案内パンフレットや営業資料ではない」ということです。
事業案内パンフレットや営業資料と同様に、漏れなく完全な情報を記載しているBtoBサービスサイトが多く見受けられます。
しかし、BtoBサービスサイトに求められるのは「比較検討の候補に入れるべきか」を判定するための必要最低限の情報であり、それ以外の情報は判定を妨げるノイズとなってしまうのです。
さらに言えば、BtoBサービスサイトは“完結させない”ことも重要です。
BtoBサービスサイトの目的は「完全に理解させること」ではなく、あくまで「問い合わせをしてもらうこと」であるため、すべての情報を説明しきってしまうとターゲットは満足してしまい、問い合わせの動機を失ってしまいます。
むしろ、「この条件の場合はいくらになるのか」「自社のケースではどうなるのか」などの余白をあえて残すことで、自然なCVへとつながります。
効果的なWebマーケティングを内製化するために
以上、『BtoBサービスサイトのためのライティングメソッド』を全5回にわたってお伝えしてきました。
この連載を通して、「BtoBサービスサイトには徹底的なターゲット目線での情報整理」が重要であることがおわかりいただけたかと思います。
これらのメソッドが、効果的なWebマーケティングの内製化への一助となれましたら幸いです。
しかしそのためには、「自社サービスに対する深掘り」もまた必要となります。
事業によってターゲットは様々であり、比較検討する中で自社をどうやって選んでもらうかを言語化し根拠として提示できなければ、どれほど文章が整っていてもCVにはつながりません。
もしWebマーケティングの内製化やサービスサイトの改善に行き詰まりを感じたら、ぜひferret Oneクリエイターズにご相談ください。



