
「お客様」に固執しない、ターゲットの呼称バリエーション【BtoBサービスサイトのためのライティングTips】vol.8
ferret Oneクリエイターズでライターを務めている鈴木です。
この連載『BtoBサービスサイトのためのライティングTips』では、BtoB事業を営む企業の皆様が、効果的なWebマーケティングを内製化できるようになるための文章作成法を、セクションごとに簡略的にお伝えしていきます。
文章作成における更に詳しい理念については、全5回の連載『BtoBサービスサイトのためのライティングメソッド』をご覧ください。
BtoBには複数の「お客様」が存在する
日本語では、事業のクライアントに対する敬称として「お客様」が主流となっています。
社内のルールで、クライアントの呼称を「お客様」として統一している企業もあるかもしれません。
例えば、オフィス清掃サービスのサイトに下記のような文言が並んでいたら、どんな感想を抱きますか?

※生成AIで作成した架空のサービスロゴです。
1行目の「お客様」とは「オフィス清掃サービスを利用する企業」を指し、2行目の「お客様のお客様」とは「企業の来訪者」であることが、なんとか読解できます。
しかし、シンプルに「ややこしい」と誰もが感じるでしょう。
これこそ、クライアントの呼称を「お客様」として統一していることの弊害です。
BtoCの商品や店舗が「事業」と「お客様」の二者構造を基本としているのに対して、BtoBでは「企業」「取引先」「販売店」「エンドユーザー」などの複数の立場が存在します。
読み手にとっては「お客様」という表現から複数の立場が想像できてしまい、「お客様」という呼称に固執するあまり「お客様のお客様」という複雑な記述も生まれてしまいます。
事業のクライアントを丁寧かつ簡潔に表すのに便利な「お客様」という表現は、取引関係や役割を曖昧にし、読み手が読解しにくくなるデメリットが生じます。
丁寧な呼称よりも“解釈が分かれない呼称”を尊重する
日本語には、「お客様」という呼称に固執せずとも、文脈によって立場を表す様々な呼称のバリエーションが存在します。
BtoBにおいては、例えば下記のような呼称を用いることができます。
サービスを契約する企業……「契約企業」「クライアント企業」
サービスを導入する企業……「導入企業」
商品を販売する企業……「販売代理店」
システムを操作する人……「利用者」「業務担当者」「ユーザー」
導入企業の商品を購入する人……「購入者」「消費者」
店舗を訪れる人……「来店客」「来訪者」
これらをふまえて、先ほどのテキストを再考すると、下記のようになります。

改善前では「お客様」や「お客様のお客様」という曖昧でややこしい表現で済まされていた様々な立場が、「従業員」「来訪者」「管理担当者」という解釈の分かれない表現に書き換えられたことで、大幅に読解しやすくなりました。
さらに、「管理ご担当者様の業務効率化に貢献します」と、サイトを閲覧しているターゲットに語りかける表現も盛り込むことで、ターゲットに対して「これこそ私の課題を解決してくれる事業だ」と自分事として捉えてもらう効果も生まれます。
一見すると「こんなことで何が変わるの?」と思われるかもしれません。
しかし、上記を見比べていただければ、情報の読解のしやすさがほんの少しの工夫で大幅に改善されることを実感していただけたのではないでしょうか。
コンテンツマーケティングの成功を目指す上では、こうした読み手に対する一つひとつの細やかな気配りの積み重ねが重要であるわけです。
効果的なWebマーケティングを内製化するために
今回のTipsが、効果的なWebマーケティングの内製化への一助となれましたら幸いです。
しかしそのためには、「自社サービスに対する深掘り」もまた必要となります。
もしWebマーケティングの内製化やサービスサイトの改善に行き詰まりを感じたら、ぜひferret Oneクリエイターズにご相談ください。



